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所在地

 

シンポジウム
DVワークショップ 相談員研修会
協賛・協力 ほか


2012年度 DVワークショップ研修案内
2011年度 DVワークショップ活動実績
2010年度 DVワークショップ活動実績
NWECフォーラムワークショップに協賛
2009年度 DVワークショップ活動実績
2009年度 シンポジウム活動実績
・2007年度 DVワークショップ活動実績

2007年度 シンポジウム活動実績


このDV ワークショップ 相談員研修会は、「連合・愛のカンパ」による助成を受けました


【 講師 紹介 】 スーザン・アームストロング(Susan Armstrong)さん

スーザン・アームストロングさんは、教育学修士、ブリティシュ・コロンビア州公認クリニカルカウンセラーで、カナダ精神衛生協会プリンスジョージ支部の理事です。トラウマ分野のセラピスト、クリニカルスーパー・バイザー、研究者、コミュニティ指導者として20年以上の経験があり、この7年間、トラウマと精神衛生の分野で非営利のプログラムを運営してきました。また、性的虐待に対応するチームを立ち上げ、コミュニティ全般の性的虐待の治療を実施する計画を作り、実施し、若者の性的搾取に関する研究を行い、さまざまな大学でも教えています。



■ワークショップ(一部抜粋)災害後の女性の実情
一般的影響:一連の脆弱さが災害で現れる
脆弱なグループは災害でさらに傷つきやすくなり、その結果下降スパイラルに陥る。例えば、洪水に襲われた平原でトレーラーに暮らしていた母子家庭の母親は、洪水ですべての住居と所有物を失い、保険に加入していないので、ますます貧乏になり、家を再建することもできない。
女性は被扶養者(子どもや高齢者)を世話する役割があるので、移動しにくくなり、社会的にさらに孤立することが多い。こうした要因すべてから女性は災害に対してますます弱くなり、災害後に資金を手に入れることや移住することが難しい。家族の規模は災害後に変わることが多い。家にさらに人を受け入れたりして家族が増えることもあれば、移住する人が出て家族が減ることもある。どちらの場合も女性の責任や負担は増す。さまざまな文化で、女性は家族の他の人々、特に男性がもっと安楽で幸福に暮らすために自分自身を犠牲にするように育てられている。女性や少女は最後に食べるかほとんど食べないので、どんどん弱く、栄養不良になり、生き延びるチャンスは減っていく。
女性の財産は真っ先に処分されることが多い。そのため女性はさらに貧しくなり、家庭内でますます弱くなる。
災害後に女性は責任が増大するので、悲しんだり災害の影響を処理する時間がない;このため男性に比べて女性に高いレベルの心的外傷後ストレスが起きる可能性がある。人々の暮らしが永久に損なわれるくらい自然資源が激減し、枯渇し、汚染される可能性がある。
上記のような実情のために、女性は男性よりも災害によって精神的な影響を受けやすくなる。女性は災害が起きている間も災害の後も最前線で対応し、被害を受け、人々の世話をする。

ある救援スタッフはこうした実情を次の言葉で表現した。「貧困に立ち向かうことはふつう女性にはとても難しいので、サイクロンが残したものは彼女たちに最も強い打撃だった。男達は生計を稼ぐのに必要な漁業の道具を失い、子ども達は死んだ可能性がある;家や家財は流されたが毎日の終わりに生き残った家族のために料理をしなければならなかったのは妻あるいは母だった。彼女たちは木切れや竹を集め、家を再建した。いつものように、病気の子どもの世話をし、食料の不足にうまく対処した」

女性に対する暴力に関する災害後に特有の危険
危機の段階と直後の回復の段階に、トラウマを負ったサバイバーはトラウマの再体験という症状を経験する(過覚醒、フラッシュバック、悪夢など)。
受け入れサービス、グループ宿泊所、避難センターは、女性や子どもを虐待するパートナーや先夫に移動させられやすいままにしておく。住居や収入、移動手段などをなくしたので、女性は虐待関係にますます戻りやすくなる。
住居の喪失、壊れた家屋内の混雑、社会サービスの混乱、収入の減少、健康の問題、交通手段の喪失によって女性はますます弱くなり、ストレスを生じ、災害の前に存在したかもしれないような虐待、あるいは災害後に現れた虐待をいっそう受けやすくなる。
女性や子どもを暴力の危険にさらにさらす、男性の飲酒やギャンブルは災害後かなり増加する(とりわけ避難施設で)ことが明らかにされた。
性的あるいは身体的に暴行されてきた女性に対する医療のニーズは、災害後の環境では満たされないことが多い。赤ん坊を育てているかあるいは妊娠している女性に対する身体的あるいは医療のニーズも満たされない可能性がある。
女性と子どもの保護サービスは不足していることが多く、ニーズを満たしていない。
再建期に、無人の地域、短期滞在の人々、暗い照明などのために、暴力の危険が増大する。
特に女性に対する性的暴行が増大する。

女性と子どもにサービスする機関の実情
サポートサービスのエネルギーは女性と子どもが基本的ニーズ(食料、水、住居)を満たすのを援助することに向けられていて、暴力に特有のニーズは優先事項にされていない。1997年にアメリカとカナダで行われた、自然災害および技術的災害に影響を受け、それらに反応するドメスティック・バイオレンスの調査で、1年後までの6カ月もの間、サービスに対する要請が増大したと報告されている。調査の回答者は、虐待は直後の危機の間は収まる傾向にあると述べた。しかし、コミュニティが復興するにつれて、ひどく打撃を受けた地域のドメスティック・バイオレンス・プログラムは、前から相談を受けていて女性だけでなく洪水の後新たに暴力の影響を受けた女性からも緊急相談電話、保護命令と緊急シェルターの要請、カウンセリングの要請が増えた。

女性と子どもを援助する組織は自分たちのサービスが純粋な危機管理に変わったと報告していることが多い。裁判所や警察はサービスを中断して災害管理に転換し、女性と子どもの基本的ニーズは増大している。あるスタッフはケベック州の洪水の後、自分たちの仕事の変化を次のように述べている。
「あらゆるものが本当に止まった。警察は働き過ぎてへとへとになった。電話も、電気も、水もなかった。すべてのエネルギーを使って緊急の問題を払いのけ、基本的なニーズに対応した。スタッフの側には柔軟性が強く求められた」


「盛岡相談員研修会」事業終了報告

盛岡会場は今回で3年連続開催の恩恵にあずかりました。
今回は33名の参加者。1名のキャンセルも欠席者もなく開講されました。
今年度の講座は、ワークショップを多く取り入れて下さり、自分たちの考えを持つことや、協働の作業を大切にして下さいました。充分に時間をかけて膨らませるセッションがある一方で、時間の関係で割愛される部分がありましたが、これは経験豊かな専門家としての柔軟さ、緩やかさだったと感得いたしました。
また、今年度は「災害後の女性の実情とその対応」のプログラムが特徴的でした。相談する方々も、「震災の前」「震災のあと」などと話されるように、震災は多くの人を大きく揺るがした基点になっています。当然、被災地で相談にあたる相談員自身も震災によるPTSDを抱えています。このテーマを盛り込んでいただき、震災によるPTSDとは何かや、災害後に増大するDV被害に対する理解と適切な介入法を実践的にお教えいただきました。
研修の感想や受講生のアンケートにもありましたように、とても多くのことを学べた充実した時間でした。

この3年間のうち、2回の参加者は11名、3回の参加者は2名とスタッフ6名で合わせて8名になります。盛岡近郊だけでなく、県内各地や隣県からも受講しました。通訳付きの講座はどういうものかと心配しながら参加したという方もおりましたが、美しいEnglishに耳と脳を集中させ、その次に翻訳をお聞きし楽しみが倍加したと申しておりました。
毎年、おいでくださる講師との出会いが大きな楽しみで刺激になりました。どの講師もそれぞれの分野の実践手法を教えて下さいました。同じ思いを共有し世界とつながる稀有な体験でしたので大きな感動でした。
カナダでは、女性センターなどのハード面はバックラッシュで姿を消している中、「暴力終結機構」という強固な支援システムを継承、発展させ、先進的に活動していることを伺いました。内容の豊富なテキストは、私たちの支援の定石になっていきます。
また、地元新聞社の取材担当者が受講しました。先の2年間は聴講しながら新聞記事に掲載してくださり、3年目は受講生として参加しました。マスコミの伝え手として取材のバックボーンを学び、確かな手ごたえを得ていただいたようです。

3回の受講継続によりパワーアップした手ごたえを検証しつつ、このような機会を潤沢にお与え下さいましたNPO法人女性人権機構の皆さまに、深く感謝をいたします。これをご縁にますます協働ができますように祈念しております。

(もりおか女性センター)